春道とは一度戦ってみたいですよね。朝倉未来

革ジャンにタンクトップ……凄く似合ってますね。

朝倉:ありがとうございます。

『クローズ』は昔から読んでいらっしゃるとお伺いしました。

朝倉:はい、僕たちの世代はみんな読んでると思うんですけどね。小栗旬さん主演の『クローズZERO』も、すごく楽しんで観ましたよ。不良やってた時期なんかは、内容がリアルとマッチしてましたし。よくタムロしていた友達の家に全巻揃っていたので、手に取って読んでました。あと『WORST』は弟が全巻持ってました。

なるほど、不良生活の中で自然と出会った感じですね。

朝倉:そうですね。暴走族の頃は「似たような感じだな」って思って読んでました。仲間内では映画をネタに楽しんでましたね。仲間の一人が滝谷源治のモノマネをよくしてたんですよ。結構楽しんでました。そういえば、映画はもう撮ってないんですか?

どうなんでしょうかね?(笑)

朝倉:あるなら出演したいですね。多分、誰よりも僕が一番強いと思いますけど(笑)。

もし出られたら、現場は朝倉さんの一喝でまとまっちゃいそうですね。なんか目に浮かびます(笑)。朝倉さんは、暴走族で副総長だったそうですが、チームは武装みたいな感じだったんですか?

朝倉:いや、チーム全体としてはちょっと違いましたね。でも僕はケンカをメインにやっていたんで、拳を交えて関係を作っていくというか、根っこの部分では近いものがあったと思います。

武装での副ヘッドは参謀的な役割を担ってますが、朝倉さんは実際どんな副総長だったんですか?

朝倉:総長がケンカに負けると、チーム全体の敗北になってしまうから、総長ってあまりケンカができないんですよ。だから僕が全部引き受けたって感じですね。

なるほど、チームの勝負を決める立場にあったわけですね。

朝倉:そうなりますね。負けることはなかったですけど。

体を張ってチームを守ってたと。

朝倉:いや、違いますね。チームにはあんまり思い入れはなくて、とにかくケンカができることがありがたいなと(笑)。そういえば、隣の市のヤツと、チームの代表戦になった時のことですが、相手は多分映画を観たばっかで影響受けてたんでしょうかね、滝谷源治みたいにいきなり飛んでパンチを繰り出して来たんですよ。僕はそれを左のカウンター一発で沈めたんですけど、飛んだら弱いよと(笑)。でもそんなマネをしたくなるくらい、この作品の影響は大きかったですね。

飛んだら弱い、肝に命じておきます(笑)。自分が表に出てケンカするって意味では、朝倉さんは武装のヘッドに近いかもしれませんね。格闘技ってことも考慮すると、龍信みたいなタイプでしょうか。

朝倉:あんなに無口じゃないけど(笑)、そうかもしれないですね。ケンカなら自分が前に出ますから。龍信の「もう少ししゃべる」バージョン(笑)。

『クローズ』の中で好きなキャラは誰ですか?

朝倉:坊屋春道は好きですね。春道はイジメとかをしないタイプですし、一匹狼じゃないですか。僕もそうなんで。集団でやるとか、嫌いなんですよ。作品の中でも、やっぱり群れてない人間は好きでした。おそらく春道はケンカ好きなわけではないんでしょうけど、やるときは一人でやる、ってのがカッコよかったですよね。自分と似てるなと思いました。あと、花木九里虎の強さは印象的に残ってますね。美藤竜也も蹴り技メインで、僕と似たような戦いのスタイルなんで、印象に残ってます。カッコいいし、一番男前だなと。女性にモテそうですね(笑)。

春道は挑まれたケンカは逃げないタイプです。暴走族時代の朝倉さんも、名前が売れていくにつれて、挑んでくる人間も多かったんじゃないですか?

朝倉:逆ですね、少なくなっていきます。試合と違って、ケンカって映像がないですから、口コミで広がっていくものなんです。ヤンキーは大げさに言うヤツが多いから、噂に尾ひれ背びれがついて、最終的にはバケモノみたいに言われてましたね、僕は。相手を一発で仕留めたりするもんですから、そうなると挑んでくる相手はいなくなります。

バケモノって(笑)。確かにモンスター級の強さですけど(笑)。

朝倉:そうなると寂しくなってくるんですよ(笑)。だから真面目な格好をして隣の市まで行って、ケンカを売ってもらうんです。売ってきてくれたら「ありがたい」と(笑)。

もう名前や顔を隠さないと、誰も触ってくれないと(笑)。ということは、朝倉さんが名前を出してケンカするときは、相手にとっては大一番だったわけですね。
朝倉:そうなるんですかね、まあケンカは毎日でしたけど。
そういうお話を聞いていると、本当に春道みたいな感じですね。

朝倉:そうすね……春道とは一度戦ってみたいですよね。

おお、凄いカードですね! 春道の売りと言えば、タフさと春道スリーパーですが。

朝倉:チョークスリーパーですよね。僕はエスケープの方法知ってるんで大丈夫です(笑)。ただ、ケンカと格闘技って違いますので、ケンカの荒っぽい技がね。

春道は比較的、素手で戦うオーソドックスなタイプです。

朝倉:なるほど、なら問題ないですね。

リンダマンは卒業後に、格闘の道へ進んだ、というようなことが書かれてます。

朝倉:ヘビー級は強いヤツが多いですからね。しかも一撃タイプ。殴られたヤツはおかしいくらい飛んでいきますもんね(笑)。大型トラックに跳ねられたくらいの跳び方ですよ。あれは厳しいな(笑)。

どうやって攻めますか?

朝倉:うーん、やっぱり髪の毛ですね。リンダマンのヘアースタイルは掴みやすいんで、髪の毛をつかんで膝蹴りですね(笑)。

九頭神竜男なんかどうですか?

朝倉:あれもヘビー級じゃないですか(笑)。そうですね、竜男も強いから……今だったら総合の技がありますんでね、それを使うことになるかな。肘とか膝でカットさせて、首を取りにいきたいですね。

そう言えば春道も首を取りにいきましたね。

朝倉:でも春道は、壁にぶつけられて離しちゃいましたよね。あそこで離してしまうようじゃあ、ダメですね。

ダメですか(笑)。

朝倉:はい、あれでも離さずに絞め続けるんですよ。僕だったらあそこで絞め落としてます(笑)。まぁ、あくまで想像ですけどね。でも本当に、坊屋春道とは戦ってみたいんですよ。先生、描いてくれないですかね。一冊だけ特別版みたいな感じで。勝敗は着かなくてもいいんですけど(笑)。結構売れると思います(笑)。僕の「YouTube」チャンネルも25歳~35歳くらいがストライクゾーンですので。

朝倉さんの年齢設定がどうなるかですね。

朝倉:あれ、そうか、春道たちは高校生でしたっけ。いや、見えねーな(笑)。じゃあ、俺が18歳くらいでの勝負ですね。そういう人との勝負、これはリアルと違った面白みがあります。

『クローズ』では、ケンカの舞台が河川敷になることが多いですが、朝倉さんがケンカするときはどうでしたか?

朝倉:河川敷でケンカしたことはないですね。公園とか、駐車場とかが多かったかな。人がいないところですかね。

朝倉さんの地元は海が近いですよね。そういうところは一般的に気性が荒いと聞きますが。

朝倉:漁師町ですからね、やっぱり気性は荒いですよ。あと工場がたくさんあるので、外国人が多いんですよ。

外国人と絡むこともあったんですか?

朝倉:はい、何度もありますよ。日本人との違いは、彼らは痛みに対して正直というか、顔に出やすいんです(笑)。日本人はポーカーフェイスが多いんですけど、そういう意味ではわかりやすいと思います。すぐに痛い顔するんで「ああ、効いてるな」って(笑)。

何気に凄いお話ですが(笑)、そういう中で鍛えられたわけですね。

朝倉:そうですね、武器を持っている相手とやることも多かったんですが、それがとても鍛錬に繋がりました。一撃がヤバイですから、かなりの緊張感の中で戦うことになるんですよ。『クローズ』でもそういうシーンはありますが。

そういうシーンは、大抵、受けた相手は病院送りになってしまいます。

朝倉:そう、鉄パイプとか、マジで痛いんですよ。どこで受けようが、無事では済みません。もの凄い腫れ上がります。それが痛いんですが、逆にその痛みにムカつくわけです。アドレナリンが出まくる感じですね。そういう時の反撃は、ちょっと力が入っちゃいます。
武器を使うような連中は、少しでも優しさを見せると、それが仇になるんです。だから、僕は相手が仕返しをしたくなくなるくらいまで徹底的に戦います。

本当にリアル『クローズ』ですね。

朝倉:漫画を読みながら、いつも思ってたんですけどね、大人数を相手にするケンカがあるじゃないですか。よくその中で、一撃で相手が動けなくなる描写があると思うんですよ。あれは……リアルとは違いますね(笑)。結構、立ち上がってくるんですよ、実際は。他の漫画でもそうですけど、そいつらずっと座っててくれたらいいんですけどね……リアルはそんなにラクじゃないです(笑)。一発で決まるときもありますけど、大体25秒くらいで立ち上がってくるもんですよ(笑)。

25秒って(笑)。やはり大勢とのケンカはヤバイんですね。

朝倉:50人を二人で相手にしたこともありますが、ヤバイですよね。父親から、壁を背に戦えば一度に3人の相手で済むって言われてたんですけど、3人相手もキツイですよ(笑)。一人と向き合ってると、すぐに後ろから別のヤツが来ますからね。でも、今なら結構イケると思います(笑)。当時は僕も「ケンカの強い兄ちゃん」くらいでしたけど、今なら一撃で失神させることもできると思いますので、結構イケるかなと。その代わり、手加減ができないかもしれませんね。

それは相手が可哀想そうです(笑)。
話は変わりますが、『クローズ』で印象深いエピソードはありますか?

朝倉:春道が転校してきて、すぐにトイレに呼び出されたじゃないですか。あの辺は好きですね、不良ってすぐに呼び出したがるんですよ、僕も呼ばれましたし(笑)。ってか、『クローズ』に出てくる人たちはトイレ好きですよね(笑)。

そうですね、トイレは彼らの聖域ですから(笑)。

朝倉:どこのエピソードってよりは、何度も読み返してるので、全部が好きですよ。

作中のチームでは、どの集団が好きですか?

朝倉:僕は黒でコーディネートすることが多いんで、武装はスタイルが似ているかも知れません。今日の撮影も武装スタイルですし。カッコいいですよね、こういうスタイル。でも動きづらいんで、ケンカには向いてないかな。自分で不利に追い込んでる感じがします。革じゃ足も上がらないし。そういう意味では、春道のファッションは、動きやすくてケンカに向いてます。僕も黒のジャージとかが多かった(笑)。リンダマンもケンカ向きですね、ブーツとか、相手が転がった時に蹴ると効くんですよ。安全靴とか、すごくいいですよ(笑)。服装について言うなら「その服で体育の授業が受けられますか?」っていう感じです。やっぱり軽くて薄い服装がいいですよね。

すごい角度からのファッション評論ですね(笑)。

朝倉:そう考えると、僕はオシャレができなかったんです。仲間と遊んでいても、いつ誰とケンカになるかわからないから。もっといろんな服を着てみたかったんですけどね。今でもそのクセが残ってます。とは言っても、さすがに今は何も起こらないと思いますが(笑)。

はい、ないと思います。無理です(笑)。

朝倉:でも地震とか災害とか考えたら、やっぱり動きやすい服装がいいかな。もう染み付いてます、その考え方が(笑)。

朝倉:そう言えばちょっと聞きたいんですけど、『クローズ』って女性の読者はどのくらいいるんですか?

女性ですか……どうでしょうか。関連映画の試写会は、ほとんど女性だらけでしたけど。
朝倉:そうなんですね。女性から見たらこの漫画ってどうなんだろうかと思っただけなんですけどね。
うーん、恐いかも知れませんね。少なくとも、例えば女子高に王子様的に春道と龍信と美藤が転校してきたらって考えると
……想像できませんね(笑)。

朝倉:そりゃそうか(笑)。でもそう考えると少女漫画とのコラボも面白いんじゃないですか?

想像したこともありませんでした(笑)。編集長にお話しておきます(笑)。さて、今日はいろいろ面白いお話をお聞かせいただきましたが、最後に髙橋先生に『クローズ』30周年のお祝いメッセージをいただければと思います。

朝倉:30周年。本当におめでとうございます。僕も凄く楽しませてもらいましたし、世の中の男はみんなこれを見て熱くなったと思います。ですので、坊屋春道と僕の戦いで更に熱い1冊を作りましょう(笑)。あと、読者の皆さんは、集団でやるカッコ悪さはこの作品を読めば分かると思います。そしてサシでやるかっこよさも分かると思います。ですので、どうせ戦うなら、1対1でやってください。ま、そもそもやっちゃいけないんですけどね、ケンカ(笑)。

(笑)。どうもありがとうございました。

朝倉未来

出身地:
愛知県
生年月日:
1992年7月15日
身長/体重:
177cm/66kg
所属:
トライフォース赤坂

RIZINで今最も注目の若手ファイター。
中学・高校時代は、刺激と強者を求めて喧嘩に明け暮れる日々を
過ごす。打撃やレスリングといった総合力の高さに加え、相手の
弱点を見抜く戦略眼を武器に、RIZINフェザー級の頂を狙う。